阿蘇山という山はない

熊本のことをいろいろと。

あげたかなさげたかな

ちょっと前の話ですが、我が家の地域では中秋の明月の日(今年は9/15)に、「あげたかなさげたかな」という行事があります。
たぶん熊本市内でも有数の穀倉地帯である我が家周辺だけの行事じゃないかな。

どんなことをするかというと、日本版のハロウィンみたいなもので、子供たちが近所の家を一軒ずつ廻って、お菓子をもらいに行くのです。

詳しいことは分かりませんが、元々はお月見に供える芋やタンゴを子どもが盗んだのが発祥らしいです。

で、今は正々堂々と玄関から入ります。
扉を開けるときのあいさつとして
「(お供えものを)あげたかなさげたかな」と大声で言うのです。
迎える家でも、あらかじめお菓子を用意しておきます。
そんな高価なものじゃなくて、うまい棒チロルチョコハッピーターン程度のお菓子です。


小学校の6年間だけのイベントで、すごい楽しかった記憶があるんですよ。
朝の登校班(懐かしい!)のグループ数人で夜の近所をウロウロするのが楽しくて(笑)
6年生が1年生の手を繋いで面倒を見てあげます。
1年生は「あげたかなデビュー」で、大人の階段を登りますね。
ご近所の大人もみんな顔見知りで、一軒家しかない田舎だから成立する行事なんでしょう。

私のときは、これで1週間くらいおやつがいらなかったような気がします。
どのルートで回ると効率的か事前に6年生が検討して、戦略的に動いてたんですよ。
何日分のおやつを確保できるか死活問題でしたから(^_^;)

今は少子化で、やってくる子供も少くなって、なかには親御さんが一緒にくるところもあるんです。
子どもだけで行くから面白いのに。
大人がよその家にお菓子もらいに行ったってしょうがないでしょうよ。

けど、こういう田舎の行事は出店もないし地味だけど、細く長く続けていってほしいです。